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高齢ドライバーの免許返納問題:アンケート結果と本音分析

2024/09/29

こんにちは!MOOVマガジン編集部です。
本日はこちらのニュースを論説したいと思います!
運転免許の返納、高齢ドライバーの本音は? 「若者も事故起こしてる」「運転は国民の権利」〈アンケート〉

高齢ドライバーと運転免許返納の現状

高齢ドライバーによる交通事故が増加する中で、運転免許の返納が注目されています。各自治体や警察は高齢者に対して免許返納を推奨していますが、特に車が生活の必需品となっている地域では、返納が難しいという声も多く聞かれます。

弁護士ドットコムが実施したアンケートでは、60代以上の回答者の82.1%が「返納していない(返納予定なし)」と回答しました。また、70歳以上の親や祖父母を持つ家族の中で「返納させたい」と考えている人は半数未満にとどまりました。この結果からも、高齢者の免許返納に対する意識が一様ではないことがわかります。

アンケート結果の概要

弁護士ドットコムが行ったアンケートは、1055人の一般会員を対象に実施されました。アンケート期間は8月28日から9月3日までで、60代以上の回答者は290人でした。

このアンケートでは、60代以上の回答者の82.1%が「返納していない(返納予定なし)」と回答しました。一方で、「現在までに免許を返納した」および「返納する予定」が合わせて15.2%にとどまりました。

「返納していない(返納予定なし)」が8割超

アンケート結果によると、60代以上の回答者の大多数が免許を返納していないことが明らかになりました。具体的には、60代以上の回答者290人のうち、「現在までに免許を返納した」が6.2%、「返納する予定」が9.0%でした。

この結果から、高齢者の多くが免許を返納することに対して消極的であることがわかります。特に、生活の中で車が必要不可欠な地域では、免許返納が難しいという現実が浮き彫りになっています。

返納した理由と返納しない理由

アンケートでは、免許を返納した理由と返納しない理由についても回答が寄せられました。返納した理由としては、「周りにも何人か免許を返納した人がいる」、「車を持つよりタクシーを使ったほうが経済的」、「反射神経が鈍くなるので返納すべき」といった声がありました。

一方で、返納しない理由としては、「特に危険を感じることがない」、「安全運転にこだわれば問題ない」、「身分証として便利」、「自動運転の車が普及するまで持っておきたい」といった意見が寄せられました。

高齢ドライバーの本音と意見

返納したドライバーの声

免許を返納したドライバーからは、以下のような声が寄せられました。

  • 「周りにも何人か免許を返納した人がいます。車を持つより必要に応じてタクシーを使ったほうが月間の経費が安上がりになるのがわかった」(60代女性)
  • 「返納したが、移動手段が少なく引きこもりになる」(60代男性)
  • 「ある年齢に達すると、多くの人が反射神経が鈍くなるので、周りの人のことを考えたら免許返納すべきだと思う」(60代女性)
  • 「まだ自制心があるうちに返納するのがよい。返納後の不便はあったが、車がないのが当たり前という生活に慣れた」(80代以上男性)

返納しないドライバーの声

一方で、免許を返納しないドライバーからは以下のような意見が寄せられました。

  • 「いままでは特に危険も感じることがなく便利さが優先している」(60代女性)
  • 「安全運転にこだわれば無理に返納する必要はない。若者でも事故を起こすものは起こす」(80代以上男性)
  • 「身分証として便利だし、クラッチ付きの車が大好きなので、危険行為をするまでは所持したいと思う」(60代男性)
  • 「免許更新前の教習所での実技講習ではまったく問題ないと言われたが、テレビで高齢者による事故のニュースをよく見るので普段運転は控えている」(70代男性)
  • 「自動運転の車が普及した場合に備えて持っておこうと思う」(70代男性)
  • 「事故を起こしている車種はオートマチック車でほとんど同種の車。私は30年前からマニュアル車にしている」(70代男性)
  • 「返納せずとも運転を控えればいいだけの話」(60代男性)
  • 「年齢だけで適不適を決めつける風潮は受け入れ難い」(70代男性)
  • 「クルマのメカニズムを再開発することで解決できる問題も少なくないはず。自動運転機能もそのひとつ。クルマメーカーの奮起に期待したい」(60代男性)
  • 「移動手段としての車を運転することは国民の権利。人を罰するのではなく、車の安全性を高めた車を選択することで車を運転し続けることがよいと思う」(60代女性)
  • 「事故を年代別に調べれば20~30代比べて70~80代の方の割合が高くなることはあるかと思うが、本当に老人世代だけに免許返納を声高に叫ぶことが正しいかどうか疑問を感じている」(80代以上男性)
  • 「高齢者が返上すべきという議論は誤っている。運転未熟者あるいは不適格者が返納するべき。老若によらず運転適格者かどうかの判定をすべきである」(70代男性)

家族の意見とその影響

高齢者の免許返納に関して、家族の意見も重要な要素となります。アンケート結果によると、70歳以上の親や祖父母を持つ家族の中で「返納させたい」と考えている人は44.1%にとどまりました。

また、「わからない」と回答した人が35.4%にのぼり、家族の中でも意見が分かれていることがわかります。家族の意見が高齢者の免許返納にどのような影響を与えるかは、今後の研究課題となるでしょう。

高齢ドライバー問題の解決策と未来

自動運転技術の期待

高齢ドライバー問題の解決策として、自動運転技術の発展が期待されています。自動運転車が普及すれば、高齢者が安全に移動できるようになる可能性があります。

現在、自動運転技術は急速に進化しており、将来的には高齢者の運転リスクを大幅に軽減することが期待されています。

車の安全性向上の必要性

高齢ドライバーの事故を減少させるためには、車の安全性向上も重要です。自動ブレーキや車線逸脱警報などの先進安全技術が搭載された車が増えることで、事故のリスクを減らすことができます。

また、車メーカーの奮起により、より安全な車が開発されることが期待されています。

運転適格者の判定基準の見直し

高齢ドライバー問題の解決には、運転適格者の判定基準の見直しも必要です。年齢だけで運転適格を判断するのではなく、個々の運転能力や健康状態を考慮した判定基準が求められます。

このような基準が導入されることで、高齢者でも安全に運転を続けることができるようになるでしょう。

高齢ドライバーの免許返納問題は、社会全体で考えるべき重要な課題です。MOOVマガジンでは、今後もこの問題に関する最新情報を提供し、読者の皆様にとって有益な情報をお届けしてまいります。

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